猫の診察室

猫の不妊・去勢手術について

猫は年に数回発情期が来ますが、その度に発情期独特の泣き声を出すといった習性があります。「不妊・去勢手術は、受けた方が良いか?」との質問をよくされますが、手術される飼い主さまがほとんどです。飼い主さまがどのようにねこちゃんと暮らすのかを第一に考え、必要に合わせてご検討ください。
当院では、去勢手術は翌日退院ですが、不妊手術は開腹手術となるため、人間同様に術後の傷口管理や体力の回復期間が必要との考えから、1週間の入院期間を設けており抜糸をして、通常の生活が出来るようになってからの退院になります。大切なご家族だからこそ、より快適な環境で過ごせるよう、配慮しておりますのでご了承ください。

去勢手術をすると?

1発情の来ている雌に反応しなくなります

2性格がおとなしくなります

3スプレー(尿を家具などにかける行為)をしなくなる (ただし習慣になっている場合は、癖として残ることがあります)

4外に出なくなり交尾・けんかなどの猫同士の接触がなくなり猫エイズなどに感染する可能性が低くなります

5太りやすくなると言われています

6ホルモン反応性の皮膚病になると言われています。ただし、因果関係ははっきりしていません

7精巣の病気の心配がなくなり、前立腺の病気になる可能性が低くなります

不妊手術をすると?

1発情がなくなり、妊娠しなくなります

2卵巣・子宮の病気の心配がなくなります

3外に出なくなり交尾・けんかなどの猫同士の接触がなくなり猫エイズなどに感染する可能性が低くなります

4乳腺腫の確率が低くなります

5太りやすくなると言われています

6ホルモン反応性の皮膚病になると言われています。ただし、因果関係ははっきりしていません

なぜ猫は、去勢手術・避妊手術をする場合が多いか?

■去勢手術
・猫の尿は臭いため、生成熟し尿を縄張りにスプレーする行為が行われると部屋がくさくなる
・オスは、雌の発情に誘発さえれ独特の鳴き声を出す

■不妊手術
・雌は、年2回程度発情期がくる
・猫は、多発情動物で1回の発情の何回も発情が有り排卵を繰り返すため、発情期が長く続く(交尾・妊娠しなかった場合)
・猫は、交尾排卵(交尾の刺激で排卵するため)交尾しないと発情が長く続く
・箱は、交尾排卵のため妊娠しやすく、一度に4~6頭出産するためオス・メスで飼い手術をしないと1年で10頭の子猫が生まれる
 
■飼い主の手術する理由
・猫のスプレー行為の予防
・猫は、夜行性動物のため夜に発情行動が盛んになり、また上記の理由で長期間声を出したり飼い主に体をすりつける等の行動をとるので、飼い主が寝不足になる
・子猫を、増やさないため

来院時の注意とご案内

  • 事前予約をお願いします
  • 朝食を食べさせずに来院してください
  • 手術は午後行います。手術時間は、去勢手術の場合は麻酔時間を含めて約30分、避妊手術は約1時間です
  • 去勢・不妊手術が行えるのは、生後5~6ヶ月からです
  • 必要に応じて、血液検査などを行うことがあります
  • 去勢手術は、手術翌日の退院となります
  • 不妊手術後は1週間入院していただきます(開腹手術のため)
  • 退院後1週間は、シャンプーしないでください
  • 猫の3種ワクチンを1年以内に接種していることが、入院の条件となります(接種されていない場合は、入院時に接種していただきます)
  • 世田谷区に勤務・在住の方は、世田谷区より手術費用の補助が出ます(世田谷区への事前申請が必要です)
  • 世田谷区に勤務・在住の方は、世田谷区獣医師会より手術費用の補助・マイクロチップ挿入助成を受けられます(手術当日・当院での申請が必要です)

猫のワクチン(予防注射)について

ワクチンでの感染症予防は100%ではありません。しかしワクチンを接種することで、発症したとしても軽く済むこととなります。とくに子猫や高齢猫は体力・抵抗力が弱く、感染症にかかると重症になることがあります。ワクチンで予防できる感染症は、飼い主さまが積極的に予防に努めてください。

3種混合

猫ウイルス性鼻気管炎・猫カリシウイルス感染症・猫汎白血球減少症

5種混合

3種混合+猫白血病ウイルス感染症・クラミジア病

猫のワクチンの接種時期について

仔猫が持っている親猫からの移行免疫が切れる時期が生後60日ごろだとされています。そのため、生後45日ごろに初回接種を行い、その1ヶ月後に追加接種をします。その後は追加接種を、毎年行います。
※生後まもなく親から離れた時は早く接種する事があります。

猫のノミ・ダニについて

来院時の注意とご案内

ノミ・ダニは、頸部に液体を滴下するスポット剤で予防することができます。

猫の歯石について

  • 事前予約をお願いします
  • 朝食を食べさせずに来院してください
  • 手術は午後行います。手術時間は、去勢手術の場合は麻酔時間を含めて約30分、避妊手術は約1時間です
  • 猫の3種ワクチンを1年以内に接種していることが、入院の条件となります(接種されていない場合は、入院時に接種していただきます)
  • 世田谷区に勤務・在住の方は、世田谷区より手術費用の補助が出ます(世田谷区への申請が必要です)

歯石除去について

1原則、全身麻酔で行います(簡単な歯石除去は麻酔なしでも行えますが、きれいに除去はできません)

2超音波スケーラーで歯石を除去し、除去後は歯の表面をポリッシング(歯面研磨)してきれいにします

3歯根部に歯石が入りぐらぐらしている歯は、抜歯します

4歯肉炎のある場合は、術後抗生剤等の薬を飲む必要がある場合があります

※その他不明な点は、お気軽にお問い合わせください。